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コニカミノルタジャパンが新型コロナ禍の突発的な物流業務事務をRPAで85%効率化

2020/05/25 ニュース, 導入事例



 オフィス関連製品の国内販売会社であるコニカミノルタジャパンは、新型コロナウイルスの感染拡大の中で発生した複合機納品の物流業務をRPAで自動化し、効率化した。運用開始後は、手作業で1日12時間かけていた処理時間を85%削減した。年間換算すると2,460時間の削減効果となる。今回自動化した業務プロセスは、現在も継続して利用されてる。

 国内市場が年度末になる3月に向けて複合機の受注・納品は繁忙期を迎えるが、今年は2月から新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、中国から入荷していた一部商品の納品が突然滞りはじめたという。そのため物流部では、スタッフが受注内容と商品在庫を1件ずつ確認しながら優先順位を決めて受注出荷業務を継続させ、この方法で一日400件を受注出荷したが、この処理は人手で通常の5倍~8倍程度かかり、残業でカバーせざるを得ない状況となった。

 同社内では、この突発的な事態を早急に打開して3月末までの納品への影響の最小化と、情報の流れをスムースにすることを目標に、一部の物流作業をRPAで行う検討が始まった。同社ではすでに「Automation Anywhere Enterprise」を利用していたため、推進役のデジタルワークフォース事務局が中心になってプロジェクトが始まった。3月上旬に業務の合間を縫って打ち合わせを行い、課題確認、業務プロセス構築、ロボットの開発、運用テストの後、約10日でロボットを完成させたという。

 開発とテストにかかる時間を抑えるため、機能要件すべてをロボットに組み込んで完成させるのではなく、プロセスの一部に人の作業を入れ、役割を分けて柔軟に運用、さらにRPA運用統括のグローバル事務局が関係者内での協力体制を作ったことが、早期運用開始の鍵となったようだ。

 今回は、受注システムから受注データの一部を抽出して一覧表を作成し、在庫状況を記した在庫調整リストを照らし合わせチェック後の生産リストを物流部担当者にメールで送信するまでのプロセスが自動化されたという。