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【2021年版6大RPA対応】RPAをオンラインで学習して資格を取るには?

2021/01/08 TIPS



ロボティック・プロセス・オートメーション (Robotic Process Automation : RPA)は、エンジニアでなくても業務の自動化を簡単に行えるということで人気を博している。元々理系でもエンジニアでもなく、人事や業務改革などの仕事をしていたが、その後RPAの勉強をしていまはRPA推進組織の第一線で活躍している人も多い。そのような人は実際にどのような勉強をしているのだろうか。この記事では、オンラインでもできるいくつかの方法を中心に紹介する。

無料で学べるオンライン学習法

RPAは主要ベンダーやそのパートナーが各ツールの基本的な利用方法のオンライントレーニングや動画を無料で公開している。アカウント登録が必要なものと、そうでないものがある。いずれも追加コストなしで自宅のパソコンやスマートフォンなどから見ることが可能だ。

 

WinActor

無料eラーニングは、トレーニングパートナーのヒューマンリソシアが出している。初めて使うときに最初に見る50分のビデオと、使い始めてからTipsを見たいときに使う457本ノックが、いずれも無料で利用できる。基本的には、ロボット開発のセッションである。

  • RPAの基本がわかる『RPA入門講座』 (無料登録必要、50分) – 視聴型学習コンテンツと、多肢選択式(20問)の習熟度確認テスト
  • WinActorライブラリ457本ノック (YouTube) – 自動記録アクション、IE関連、Excel関連、WinActorノート、構造データ関連の5つのカテゴリに分かれた動画
    • 自動記録アクション: チェック状態取得(IE)、リスト選択(IE)、文字列取得(IE)、有効無効状態取得(IE)、表の値取得(IE)
    • IE関連: 指定CLASS内のリンク先/テキストを取得、リンクの文字列取得、Debug全タグ情報簡易版、イメージマップクリック、表内のコントロールをクリック
    • Excel関連: マッチング、値/書式設定、検索一致、アクティブセルから指定位置の値取得、背景色を付ける、フィルタ複数条件設定
    • WinActorノート: カーソル移動ツール、テキストファイル読み込み、ブロック分割ツール、ブロック抽出ツール、変数に取り込み、編集ツール
    • 構造データ関連: JSON変数 新規配列/読み取り/配列サイズ/配列要素追加/配列読取

 

UiPath

オフィシャルなUiPathアカデミーのeラーニングで、20の日本語コースを無料で受講できる。スマホからの受講にも対応している。RPA概論コースを含むスタータープログラム、デベロッパー基礎プログラム、デベロッパー上級プログラムに分類されており、レベルに応じて受講できる。UiPath Studio上での開発に重点が置かれてたコース設計になっているが、開発フレームワークについての知識や、Orchestratorを使った運用管理についても学ぶことができる。

 

BizRobo!

BizRobo! TVのYouTubeチャンネルで約40本の動画が無料で公開されている。Ver 10.4をベースとしている。Design Studio (DS)、Desktop Automation (DA) といった開発環境のセットアップと基本的な開発方法をカバーしている。

  • BizRobo! TV チュートリアル編
      • DSインストール・セットアップ、DAインストール・セットアップ、DA基本操作、BizRobo! Launcher使用法、DAエディタからリモートデバイスに接続、DAで使用するLoop・Conditional・Breakの解説、DS・DAでテキスト入力・キー入力、エラーハンドリング、など
      • 交通費精算チェックロボ作成、新着物件リスト作成、など。

 

Automation Anywhere

公式YouTubeサイトで40分程度のハンズオン動画が無料公開されている。また、公式の無料オンライントレーニングとして、Automation Anywhere University (AAU) が公開されている。Webのポータルサイトが英語のみの提供なので、日本語コンテンツがあることに気づきにくいが、登録してログインしてみると、eラーニングのメニュー一覧やコンテンツは日本語が利用できる。最新バージョンのA2019は約10本の無料コンテンツが日本語で利用できる。

 

Blue Prism

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公式YouTubeサイトでハンズオン1,2の答え合わせ動画、解説動画が日本語で無料公開されている。教材も無料ダウンロードできるため、これを使ってオンラインで勉強する方法がある。また、公式の無料オンライントレーニングとして、Blue Prism Universityが公開されている。Blue Prismポータルよりたどっていくが、ユーザーインターフェイスは英語のみの提供で日本語コンテンツを探すのにコツがいる。コースタイトルに”(JP)”とついているものが日本語となる。約20本の日本語コンテンツが公開されている。

 

Power Automate

Microsoft Learnで無料のコースが提供される。Power Automate関係では約100本、Power Automate Desktop/WinAutomation関係で約20本の日本語コンテンツが利用できる。

Microsoft Learn – Power Automate

 

さらに学習したい場合は有料の教材も

無料で利用できるコンテンツで勉強して、さらに深い学習をしたい場合は、ベンダー、販社、トレーニングパートナーが出している有料の教材も活用できる。オンラインで有償提供されているものも多い。

 

WinActor

有料eラーニングは、公式がNTTデータから、その他にヒューマンリソシアとNTTドコモのGaccoなどで提供されている。1コース1人当たり5,000円程度から、グループ向けの年額学び放題プランを出しているところまで、さまざまな料金体系がある。

 

  • NTTデータ 「公式」 eラーニング – ベーシックとアドバンスコースあり。8セッションあり。ロボット開発セッションがほとんどだが、運用についてのセッションも若干ある。
  • ヒューマンリソシアeラーニング – 初級から技術者検定まで幅広く対応。7にも対応。年額プランあり。16のセッションあり。ロボット開発のみ。
  • NTTドコモGacco – Ver.6対応。初級と中級があり受講期間は30日と60日から選べる。WinActor体験版が付属。5つのセッション、約100章あり。ロボット開発のみ。

 

UiPath

日本語の有料eラーニングが販社やトレーニングパートナーから利用できる。富士通グループ、SCSKグループなどが提供している。ロボット開発に関するトレーニングが多いようだ。

また、Udemyでも1,500~3,000円くらいの価格レンジで特化型の日本語トレーニングコンテンツが5セッション程度利用できる。個人が作っているコースなので品質はさまざまである。

Udemy UiPath関係のセッション

 

BizRobo!

有料eラーニングが販社やトレーニングパートナーから利用できる。BizRobo!ユーザーはBizRobo!ポータルの中にもeラーニングコンテンツがある。

 

Automation Anywhere

英語になるが、Automation Anywhere Universityで高度なコンテンツが有料で提供されている。受講にはAutomation Anywhere e-learningのサブスクリプションライセンスが必要となる。

Automation Anywhere University – Learning Trails

 

Blue Prism

有料eラーニングが販社やトレーニングパートナーから利用できる。東京システムハウスなどが提供している。

 

資格を取ろう!オンラインでも取得できる

トレーニングを受けて勉強をしたら、資格を取っておくのもお勧めだ。資格があると、RPAプロジェクトへの参画や仕事の受注で有利になることもあるだろう。RPAの主要ベンダーは認定資格制度を取っているところが多く、オンラインまたは試験会場で資格試験を受けて合格することで、認定を受けることが可能だ。

 

WinActor

WinActorの資格については、NTTデータが提供しており、入門レベルはオンラインで取得できる。最上位の試験は準備中となっている。

 

UiPath

UiPathの資格については、UiPathが提供しているUiPath Certified Professional (UCP)というフレームワークがある。レベルには「アソシエイト」「アドバンスト」の2つのレベルがあり、アソシエイトはゼネラル (一般)とデベロッパーの2種類、アドバンストにはデベロッパーの試験がある(合計3種類)。試験はVUEの試験会場もしくはオンラインのOnVUEで受験ができる。先に紹介した無料トレーニングの中には、試験対策コースもあるため、無料のオンライントレーニングで試験対策ができる。

  • アソシエイト (16,000円)
  • アドバンスト (22,000円)

 

UiPath Certified Professionalの詳細

 

BizRobo!

BizRobo!の認定資格には、BizRobo!基礎検定 (無料)、BizRobo!認定開発者検定 (27,500円)の2つがある。基礎検定はe-ラーニングや研修内容の習熟度を確認するための初心者向け検定であり、Web試験で受けられる。認定開発者検定は、BizRobo!を利用したロボットの開発を1年以上続けている中級以上のユーザー向けで、実際にロボットを作成する技能検定で、獲得点数により取得できる資格レベルが異なってくる。

BizRobo! 検定の詳細

 

Automation Anywhere

Automation Anywhereはオンラインで資格を取ることができる。学生限定の「Essential認定」、プロフェッショナル向け「Advanced認定」($50)、最上級の「Master認定」($100)の3つがある。A2019とv11の2種類のバージョンがある。V11を中心にオンライントレーニングでの試験対策と本番試験も日本語になっているが、最新版のA2019については、両方とも英語での提供となる。試験はオンラインで実施される。

Automation Anywhere資格試験の詳細

 

Blue Prism

Blue PrismにはCertified Blue Prism Developer、Certified Blue Prism Installation Engineer、Certified Blue Prism Professional Developer、Certified Blue Prism ROM Architect、Certified Blue Prism Solution Designer、Certified Blue Prism Technical Architectの6種類の認定プログラムがある。Blue Prism Developer は、日本語でも受験することができるが、基本は英語の受験となる。試験勉強のためのオンライントレーニングも一部は日本語で利用できる。試験はVUEの試験会場で受験する必要がある。費用は1資格当たり12,000円程度から。

Blue Prism認定プログラムとトレーニング

 

Power Automate

Power Automate Desktopに特化した資格認定制度はないが、Power Platform全般に関する資格が存在する。たとえばPL-900 Microsoft Power Platform Fundamentalsなど。PL-900 ($99)は日本語でも受験可能であり、Pearson VUEの試験会場で受験する。これはRPAの資格というよりは、より広い範囲をカバーするマイクロソフトの認定制度の一部と考えたほうが良いだろう。

 

Power Platform関連の認定資格及び試験

 

書籍でも学習できる

「やはり勉強は紙と本で」という人もいると思うので、最後に、書籍を活用した学習法も紹介しておこう。書籍は物理的な本もあるし、ものによってはKindle本も出ているため、タブレットなどで学習も可能だ。以下にKindle版と物理本の両方が出ている代表的な書籍を挙げる。

 

WinActor

  • 徹底解説RPAツール WinActor導入・応用完全ガイド、秀和システム (2019/4/25) Ver. 6.0対応。
  • 6.1対応 徹底解説RPAツール WinActor導入・応用完全ガイド、秀和システム (2019/9/6)
  • 日常業務をRPAで楽しく自動化 WinActor実践ガイド WinActor v6対応、インプレス (2019/9/25)

 

UiPath

  • できるUiPath 実践RPA できるシリーズ、インプレス (2019/2/7)
  • UiPath業務自動化最強レシピ RPAツールによる自動化&効率化ノウハウ、翔泳社(2020/5/25)
  • RPAツールで業務改善! UiPath入門 基本編、秀和システム (2019/4/5)
  • RPAツールで業務改善! UiPath入門 アプリ操作編、秀和システム (2020/3/3)
  • 基礎がよくわかる! ゼロからのRPA UiPath 超実践テクニック、オーム社 (2020/7/18)
  • はじめてのRPA UiPath入門、秀和システム (2020/2/15)

 

Automation Anywhere

  • Automation Anywhere A2019シリーズではじめるRPA超入門、日経BP (2020/7/16)
  • 現場の業務を完全自動化 AI搭載RPAツール Automation Anywhere Enterprise 開発・運用ガイド、ソーテック社 (2020/6/2)