エンタープライズ企業のための「次世代RPA」メディア

50年以上のDMサービス実績を誇る株式会社アテナがRPA導入。DXを前提とした経営ビジョンとビジネスモデルを描いていく方針を表明し、デジタル・リアル領域の各種機能を最適に組み合わせたベストプラクティスを提供できる企業へ。

2023/01/24 スライダー, トピックス, 導入事例



1968年(昭和43年)にダイレクトメールの発送代行会社としてスタートしたアテナ。その後、物流・印刷・コールセンター・データ入力・オフィスワーク・システム開発など幅広い機能を有する総合的BPO企業として成長してきました。2018年4月にDXを前提とした経営ビジョンとビジネスモデルを描いていく方針を表明し、デジタル・リアル領域の各種機能を最適に組み合わせたベストプラクティスを提供できる企業として進化を続けています。

 

RPA導入前の課題

当社ではお客様企業におけるダイレクトメール発送、販促資材の梱包発送、入力・コールセンターの運営、お客様のデータをお預かりした上で保険の申込書出力、クレジットカード明細請求書の出力等を代行する「アウトソーサー」として、50年以上にわたりサービスを提供しております。

お客様企業の様々なニーズにお応えするため、社内の様々な『サービスメニュー(機能)』を組み合わせるうちに社内業務が属人化して行きました。マンパワーを中心とした業務オペレーションが限界に達しておりました。

RPA対象業務を教えてください

毎営業日稼働している通販事務局業務、資材の入出庫管理業務、報告書作成業務等あらゆる業務が対象

主にお客様企業より受注した「フロントエンド業務」のオペレーション自動化を中心に取り組んでおります。2018年より取り組みを開始、2022年12月時点では190業務・13,609時間ものマンパワー作業をAutomation Anywhereをはじめとした各種デジタルツールに置き換えることができました。

通販事務局を例に挙げると、FAX・電話・メール等様々な手段で受注する商品を事務局メンバーによりExcelに集約を行います。Excelに集約した後はAutomation AnywhereがWebブラウザを通じて先方のWeb発注システムの入力(転記)を行います。また、受注経路の中で、直接データで提供される業務は、Automation Anywhereが直接Web受発注システムの入力を行います。

従来は受注経路ごとにマンパワーによるオペレーションマニュアルが存在し、複雑化しておりましたが、現在はExcelの集約手順のみで完結し、以降の入力転記作業はAutomation Anywhereがすべて担うシンプルな業務フローに刷新できました。

Automation Anywhereを導入していかがでしたか?

システム開発未経験のユーザー部門・新入社員でも開発可能

Excelを日常的に活用している、基本的な関数を理解している程度のスキルを保持していれば、一定の研修を受けることで、Automation Anywhereの基本機能を使いこなすことができました。当社では、5日間程度の研修プログラムを作成し、ユーザー部門から3名程度・3ヶ月おきにメンバーを受け入れ、開発に専念する期間を設けながら徐々にAutomation Anywhereを使いこなすユーザー数を拡大するようにしております。

当社のメンバーが初めて触れたAutomation Anywhereは「バージョン11.1」と呼ばれるもので、当時は英語のみの表示でした。「用語リファレンス」を作成し、英単語と実機能の紐づけ・理解をする作業から開始しました。現在は「Automation 360」に刷新されたことで日本語表示に完全対応、基本機能もより充実しました。

設立当初のCoEは、センター長以外のメンバーは新入社員・契約社員で、システム開発未経験からのスタートでした。そのようなメンバーでも全社を牽引し、ユーザー部門に対しロボットの開発・運用をコントロールしながら、自らもAutomation Anywhereのさらに深いテクノロジーを追及、周辺ツールとの連携を実現できております。年々社内技術者が増加、CoEチーム自体も強化できました。Automation Anywhereに出会ったことで、社内のDXが加速したことを確信しております。

導入効果はどうでしたか?

各種デジタルツール・従来型スクラッチ開発システム・AIソリューションと組み合わせ、より自動化範囲を拡大、新たなBPOサービスとして提供

当社ではKPIを定め、経営会議等の定例会議で適宜進捗を報告しております。2018年以降着実に実績を積み重ねた結果、現在はControlRoom(管理用サーバ)3式、BotCreator(開発環境)17台、BotRunner(実行環境)5台分のライセンスを保有しているほか、他のデジタルツールのバージョンアップ、人員の拡充も実現しました。

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当社では「DX戦略方針および行動指針」も掲げておりますので、その指針に沿うよう今後も積極的な活動を展開して参ります。

導入後の顧客満足度はいかがでしょうか。

社内・社外共に「導入して(劇的に)効率向上した」と言ってもらえます

Automation Anywhereの導入をきっかけに既存業務の見直しにつながりました。当社では、既存業務をそのままデジタルツールに置き換えるのではなく、「本当にその作業は必要か」「他部署との社内連携において、重複している作業はないか」等の見直しも行っております。その結果、徹底的に効率化され洗練された業務フロー上でAutomation Anywhereをはじめとしたデジタルツールの活動領域・人がデジタルツールにより生成された結果をチェックするパートが明確化できています。

当社では、お客様に直接業務フローの一部を見直していただくこともあります。社内のみでなく、社外も巻き込んで自動化できた業務の改善効果は目覚ましく、社内外共にQCD(品質・コスト・納期)向上に寄与したと実感いただいております。

「既存業務の見直し」をきっかけに、ブラックボックス化した部分が明らかになり、業務フロー自体も洗練されていくのは、単なる『マンパワー作業時間の削減』のみならず、真の意味での『DX』にもつながっていると言えます。

事例制作協力:株式会社デジタルワークフォース