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野良ロボットを発生させないために気を付けること

2020/06/29 コラム



   RPAを運用していてしばらくたつと出てくる課題として「野良ロボット」が発生するということが良く挙げられる。野良ロボットとは、管理者がいないソフトウェアロボットの事で、動作していることが組織から把握されないロボットの事である。よくあるケースとしては、RPA運用者が異動・退職した際に、引継ぎが十分に行われずそのままになってしまう場合、もしくはロボットがインストールされているパソコンを本来と違う目的に流用して動作させる場合などがある。

 

なぜ野良ロボットは発生してしまうのか

 RPAを運用していると野良ロボットが必ず発生するのかというと、実はそうではない。これはITガバナンスの問題であり、現場でスモールスタートで始まったRPAの運用が、個人に任されてしまっている場合に起こりえることである。

 野良ボットが発生するケースでは、デスクトップ型RPAが使われていることが多い。デスクトップ型RPAは、パソコン1台にソフトウェアをインストールすれば使えてしまう反面、管理機能が付いていないために、いつどのような動作を行ったのかを組織として把握することが困難となる。

 運用管理を行っている個人が異動・退社してしまった場合は、ソフトウェアロボットがどういう目的でどういう作業をしているのかがわからないまま、動作が継続するケースがある。また、基幹システムにユーザー名パスワードを使ってログインして動作しているロボットがいる場合に、パソコンが持ち出されてしまうと、違う場所からその基幹システムに接続されて意図しない操作をされてしまうケースもあり得る。そうすると、野良ロボットはセキュリティリスクにもなってくるわけだ。

 

野良ロボットを発生させないためにはサーバ型RPAできちんとした運用管理が必要

 先ほどデスクトップ型RPAでは野良ロボットが発生するリスクがあることを述べたが、管理運用をきちんと行うにはサーバ型RPAが必要となってくる。構成がサーバ型RPAのみの製品であれば、勝手にロボットを運用されることもなく、実行履歴はサーバに記録されるため、常に動作を監視できるし、動作を停止させることも可能である。

 デスクトップ型RPAにもサーバ型のオプションがついている製品があるので、サーバ型オプションを付けるのも手であるが、ライセンス管理をすべてサーバ経由に切り替えられない場合は、デスクトップ型が単体で動作するリスクが引き続き発生する。また、デスクトップ型は安価 (ライセンス費用が年間100万円未満)に入手できていたものの、サーバ型にした途端に300万円以上の費用が追加で発生してしまう。

 

サーバ型RPAでデスクトップ型RPAを管理する手法も登場

 実は、主要なサーバ型RPA製品 (Automation Anywhereなど) は、最小導入価格が年間100万円超くらいからとなっており、デスクトップ型RPAのサーバ型オプションを導入するよりも安く収まる。デスクトップ型RPAのロボットをサーバ型RPAから遠隔実行して結果をサーバ型RPAに記録する、といった利用方法も可能である。ロボットの管理運用部分を人間が手作業で行っているケースもあるので、それをサーバ型RPAで代行できれば、それだけでかなりの労力が削減されるはずである。最終的には、デスクトップ型RPAで行っていた業務をサーバ型RPAで作り替えてしまってサーバ型RPAだけで運用管理を行うのも手である。

 このように、野良ロボットを発生させない運用にはいくつかの選択肢が存在する。スモールスタートでRPAを始めてある程度こなれてきて規模が大きくなってきた場合には、次のステップとしてITガバナンスを効かせるための取り組み、オプション追加、製品乗り換え等を考えてみてはいかがだろうか。