エンタープライズ企業のための「次世代RPA」メディア

【講演レポート】RPA導入の事前準備!RPA導入成功のカギを握るペーパレスサービスとは

2020/12/16 コラム



 東京のレインボーブリッジ近くに本社を構えるテクバン株式会社は、1013日に行われたオンラインイベントリレー2020 Autumnウェビナーで、サイボウズ、インフォマート、オートメーション・エニウェア・ジャパンと共に、ペーパーレスをすぐに確実に実現して自動化を行う方法と事例について解説した。

 

社内システムを横断的につなぐRPAの仕組み「Automation Anywhere A2019

 最初にオートメーション・エニウェア・ジャパン米田氏から、新型コロナ禍によるテレワーク環境で起こった業務停滞について解説があった。業務プロセスはシステムを入れているが、システム間のプロセスは人が介在することも多く、そこで業務が止まってしまうことが多かったとのこと。それを解消するには、システム間のサイロをなくしてひとつのオートメーション・レイヤーであらゆるシステムをひとつにつなぎ、事業継続に備える必要があると説いた。

 


オートメーション・エニウェア・ジャパン米田氏

 

 RPAを導入していても、業務毎に違うものを入れていると、そこで業務が分断されてしまう。ひとつのオートメーション・レイヤーにすることで全体最適がされる。Automation Anywhere A2019はこのオートメーション・レイヤーの役割を担うことができ、かつクラウドで提供されているRPAであるため、リモートワーク化でもすぐに使えて事業継続対策にもなるという。

 特徴としては、「現場でノーコードであらゆる製品を簡単に数日で自動化でき内製化できる」「全組織展開でインパクトを出すための管理・セキュリティ機能がある」「24時間稼働できるスケジュール・リモート管理機能と信頼性がある」ことを挙げ、これらによりリモートワーク環境下で必要になってくると解説した。

 

クラウド上で情報共有を高める仕組み「サイボウズ kintone

 次に、サイボウズ畠氏からは、リモートワーク環境下でもチームワークを高めるための情報共有を促進するために「バーチャルオフィス」を整え、ペーパーレスを実現する必要性が紹介された。サイボウズが提供するkintoneを使うと、約30種類のパーツからドラッグ&ドロップで自社の業務に合わせたシステム (アプリ) を簡単に作ることができる。「データベース機能」によるデータの蓄積と利活用、「プロセス管理機能」による複数人がかかわるワークフローの構築、「コミュニケーション機能」でデータに紐づいた指示・アドバイス・質問ができ、コミュニケーションの履歴管理ができるようになっている。

 


サイボウズ畠氏

 

 kintoneはクラウドサービスにもなっており、パソコンやタブレットデバイスからも利用できる。また、kintone単体で実現できないことはプラグインで機能拡張させたり、APIで外部システム連携を行うこともできる。

 

請求書発行・受領をオンライン化する仕組み「BtoBプラットフォーム請求書」

 インフォマート早川氏からは、請求書のペーパーレスを実現するBtoBプラットフォーム請求書が紹介された。このサービスは有料で利用を開始すると、相手企業は無料招待することができ、請求書の発行、受領のやり取りが可能となる。ひとつのIDでつながるため汎用性が高く相手の賛同率も高いという。

 


インフォマート早川氏

 

この続きは会員限定です

続きを読むにはログインまたは会員登録(無料)が必要です。

RPA総研の会員にご登録ください。

 ・ビジネスやRPAの導入に役立つ記事が閲覧できます。
 ・RPA総研編集部のおすすめトピックスをメールマガジンでお知らせします。

 請求書発行側のサービス導入のメリットは、「請求書の作成・印刷・封入作業をなくせる」「発行にかかる紙代、封筒代、郵送費などの経費を削減できる」「101日から規制が緩和された電子帳簿保存法に対応しており紙で保管不要」さらには電子未対応取引には自動で請求書を郵送代行するサービスも行っている。実際に削減される費用は約67%のコスト削減となる。導入事例では、毎月3日、5人が残業して発行していた業務が1名が定時内に対応可能となり、コストも80%削減できたという。

 請求書受け取り側のサービス導入のメリットとしては、「月次決算の早期化が実現」「承認リレーがシステム化できる」「仕訳入力作業が大幅削減される」「電子帳簿保存法に対応しており紙保管が不要」ということが挙げられる。実際に削減される費用は約77%のコスト削減となる。導入事例では、社内承認に10日間かかっていたのが3日間で済むようになった企業もある。

 電子帳簿保存法への対応については、税務署への事前申告も不要となっており即日ペーパーレスが可能、書類の保管コストも大幅にカットできるという。

 

新型コロナ禍で急いでクラウドサービスを導入する際の注意点

 最後にテクバン濱野氏からクラウドサービスを導入したときによく発生する課題として、「手入力がメインで工数削減にはつながっていない」「目視チェックが発生してチェック工数が増えた」「意外と難しい」「クラウドサービスの機能の一部しか使えていない」「機能が使いこなせていないから、料金が高く感じる」というものが挙げられた。これは新型コロナ禍になったことにより検討プロセスが短くなったことが原因の一つになっているという。

 


テクバン濱野氏

 

 検討プロセスが短くなると、実現したいことの提示漏れが発生して要件定義やアプリ構成の検討が不十分になりシステム全体の品質低下につながってしまう。そうすると変更対応、追加開発が発生し追加コストがかかってしまう。また、マスタ構成やシステム間連携を整えないうちにクラウドサービスを導入してしまい、その結果情報の手入力をしなければいけないケースが発生する。

 これらのことは自分たちで検討すると見落としが発生するため最初は専門家に相談したほうが良いという。ペーパーレスを実現したいならkintoneBtoBプラットフォーム請求書の組み合わせで最速1.5カ月で、十分な検討をしたうえでのシステム展開が可能になるという。

 

商談フローをクラウドサービスとRPAでペーパーレス、自動化した事例

 ペーパーレスが実現するとRPAによる自動化がやりやすくなる。濱野氏は事例としてマンションの修理を行っている企業を挙げた。商談が発生すると、商談登録システムがあるものの、Excelで見積もり提示、受注処理をする中で紙の業務が発生していた。Excelの部分をkintone、紙の部分をBtoBプラットフォーム請求書で置き換えることにより、すべて紙が排除されシステム間連携やシステムから人に対してのメール送付をAutomation Anywhereを利用して自動化できたという。

 

導入前

 

導入後

最後に

 テクバンでは、ペーパーレスソリューションと共に、RPAAI-OCRや製品サポート、教育サービス、ロボット開発支援をあわせてご提案する仕組みを整えている。また、YouTubeにも様々な動画を掲載しているので活用してみるとよいだろう。

 

テクバンYouTubeチャネル

 

問い合わせ先
テクバン株式会社
RPA担当 濱野
TEL: 03-5418-8501 (対応時間 10:00-17:00 土日・祝日・年末年始除く)

 

オンラインイベントリレー2020 Autumn アーカイブ