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【講演レポート】最新BI、DWHのトレンドとデータ活用に向けたRPAとの親和性について

2020/12/23 コラム



 東京の新宿に本社を構え、データとデータ技術を活用してデジタルトランスフォーメーションの支援・推進をしていくITソリューションカンパニーであるINSIGHT LAB株式会社は、1015日に行われたオンラインイベントリレー2020 Autumnウェビナーで、RPABIDWHの最新動向と、BIDWHRPAを連携させた利用シナリオについて解説した。

RPAの変化の過程とトレンド

 INSIGHT LAB岡本氏によると、RPAに代表される自動化も時代と共にトレンドが変遷してきたという。昔はExcelマクロによる自動化が主流だったが、作成方法が作成者に依存しブラックボックスしやすかった。その後RPAが流行ってきたが自分のデスクトップで自動化を行うデスクトップ型RPAがまず流行った。


INSIGHT LAB岡本氏

 しかし、野良ロボットという言葉に代表されるように、やはり自分のデスクトップ環境だけだとブラックボックス化してしまい、集中管理によるガバナンスやニーズに沿ったスケールアップをするにはサーバ型RPAが必要になってきたという歴史がある。サーバ型RPAは導入のハードルが昔は高かったが、いまはAutomation Anywhereなどクラウドでの導入や低コスト化もされて簡単に導入ができるようになっている。

 また、AIと連携した判断もできるようになってきている。ユーザー操作から自動化対象業務を絞り込めるDiscovery BotAI-OCRIQ Botなども取り組んでいる。

 

BI製品の変化の過程とトレンド

 一方、BIの世界でもBusinessObjectsCognosのような「トラディショナルBI」があったが、事前に集計方法の定義が必要でエンジニア依存の運用になっていた。2010年くらいからQlikViewTableauと呼ばれる「インメモリBI」の登場により、レスポンス向上とユーザー側での利便性が向上して、ユーザーが素早く分析をできるようになった。

 その後、Qlik SenseLookerSisenseのような「第3世代BI」の登場により、インメモリでデータを扱いつつテラバイト級のデータを扱うことができデータガバナンスの担保ができるような製品も登場した。そして最新の状況としては、リアルタイム分析を行ったり、データの社内利用だけでなくデータビジネスを行いたい企業も出てきた。

 

DWHの変化の過程とトレンド

 また、データをためるデータウェアハウス (DWH) については昔からあったが専用アプライアンスは高額であり、構築にハードルがあった。実装も既存DBの延長線上での構築となっている。その後Amazon RedShiftGoogle BigQueryのような「クラウドDWH」が登場し、利用環境に応じて課金できたりクラウドインフラとの連携が容易にできるなどの特長があった。しかし場合によっては高額になるケースもあった。

 それに対してコンピュートとストレージを分離するなどクラウドアーキテクチャを一から開発した最新クラウドDWHであるSnowflakeが登場、よりきめ細やかな課金体系が実現されている。

 

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RPABIDWHのプロジェクトを進めるには小さな一歩から

 ところで、組織内にはさまざまなステークホルダーが存在し、プロジェクトに対する態度も前向きな型、中立な型、後ろ向きな型がいるという。そのため、最初はスモールスタートしながらステークホルダーの関与を挙げていくのが一般的な方法であるが、ただしその先の拡張も見据える必要がある。最終的に局所最適化、部分最適化に留まるような仕組みしか導入しないと、組織全体でのデジタルトランスフォーメーションにつながらない。

 RPAならAutomation Anywhereもスモールスタートのための開発者向け無料Community Editionが用意されている。BI製品はQlik Sense Businessでクラウドの30日間無料トライアルが利用でき、SisenseINSIGHT LAB独自のサービス「Sisense Cloud(有償)でスモールスタートができる。DWH製品についてはSnowflake30日間400ドル相当の無料トライアル環境があるため、ご支援が可能である。

 

RPABIDWHの親和性

 BI製品によっては自動通知機能がないものがある。このような場合、RPAを利用してBIレポートを条件抽出して対象者へメール送信することができる。また、Web連携できない特定サイトの情報をRPAで定期的に書き出し、BI製品で利用することもよくある。たとえばこれらを実装することで、BI製品をより有用に活用することが可能になるという。

  企業のデータ活用という観点で、今後はインターネット、基幹システムなどの大量の各種データを直接連携・ETL、もしくはRPAを使ってBIDWH製品に取り込み、リアルタイムで分析をかけていくような使い方がどんどん広がっていくと思われるが、RPAを使うと「かゆい所に手が届く」使い方ができる、と岡本氏は締めくくった。

 

最後に

 INSIGHT LABでは各製品・サービスを活用するための実践的で基本的なナレッジやスキル習得のヒントを配信しているので活用してみるとよいだろう。

 

問い合わせ先

INSIGHT LAB株式会社
セールス・マーケティング本部
Email: info@insight-lab.co.jp
TEL: 03-5909-1320(平日10:0017:00

 

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