クラウドベースのオンライン電子サインサービスであるAdobe Signを提供するアドビ株式会社は、10月14日に行われたオンラインイベントリレー2020 Autumnウェビナーで、オートメーション・エニウェア・ジャパンと共に、いま急速に進められている契約の電子化、ペーパーレス化を素早く導入する方法について解説した。
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新型コロナ禍でストップした業務プロセスを回すのに自動化とペーパーレスは必須
最初にオートメーション・エニウェア・ジャパン米田氏によると、既に導入されている業務システムの間で人の手が入っていたり紙のプロセスが入っていたりして、リモートワーク環境下で業務が止まったものがあったという。全体のプロセスをバックグラウンドから自動化して統一するにあたり、紙のプロセスをオンライン化していく方法としてAdobe Signを使う方法が紹介された。
オートメーション・エニウェア・ジャパン米田氏
相次ぐ政府見解で進めやすくなった電子サイン
次にアドビ昇塚氏より、Withコロナ時代にますます重要になるテレワーク環境下では、出社しているのと同じレベルで業務遂行を行うのに、紙とハンコの処理がブロッカーになっている事実が紹介された。政府が外出自粛を奨励している中で、紙の書類の確認や承認のために出社したり、政府の助成金をもらうのに役所に行って紙の書類を提出するということも行われていたということで、政府も6月に「契約書はハンコ不要で良い」ことについて見解を表明したり、7月に「電子証明書がない立会型電子署名を容認」する見解を表明したりしてデジタル化を後押ししている。また、河野行政改革担当大臣もハンコ廃止を推進しており「印鑑証明が必要なもの、銀行印が必要なものを除いて原則廃止するように各省に求めている」としている。
アドビ昇塚氏
ハンコの仕組みの代替手段として、ドキュメントプロセスの効率性向上と法的有効性の両立を実現するクラウドベースの電子サインサービスがAdobe Signである。Adobe Signは署名者のデジタルIDで署名する当事者型とサービス提供事業者のデジタルIDで署名する立会型の2種類の署名方式に対応している。
信頼性の高いデータセンターで運用されているAdobe Signのサービスにドキュメントがアップロードされ、署名依頼の通知メールがクラウドから相手に送信され、相手はメールアドレスとブラウザーがあればAdobe Signのライセンス不要で電子的に署名を行うことが可能だ (必要に応じて電話番号やパスワードによる二要素認証も可能)。
これにより「本人確認」と「非改ざん性」を同時に確認でき、身近なドキュメントにすぐに使うことができる。立会型では、事前に電子的な印鑑登録に当たる電子証明書の登録・発行を受ける必要がなく、面倒な事前設定なくすぐに使えるのがポイントだ。やり取りの履歴はクラウド上に監査レポートとして保存され、いつでも参照することができる。
紙の契約を電子化することで、購買契約、営業契約、建設請負契約、請負契約、重要事項確認書などの社外関係者との契約書や、労働条件通知書、誓約書、取締役会議事録、仕様書、プロジェクト管理署などの社内文書など、さまざまな文書を電子化することができる。契約書は電子化することで印紙税もかからなくなるためコストの削減にもなる。
RPAと組み合わせて既存の業務フローを変えずに業務フローを電子化
昇塚氏は、最終的には、電子サインのしくみも取り入れた一気通貫のデジタル化された業務フローを構築する必要があるが、これは意外と大変であると解説する。承認条件によっては複雑な分岐も存在する。きちんとシステム化をしようとすると時間とコストがかかる。既存の業務フローを変えずに即効性のある業務フロー電子化がRPAと組み合わせると可能になる。つまり、Adobe SignとAutomation Anywhereとの組み合わせによりこれが実現できるという。
対象ファイルをフォルダーに配置するとトリガー機能により自動でRPAが起動し、業務フローが開始される。Adobe Signのサイトに自動サインインして、契約書の金額に合わせた適切なワークフローを起動してくれる。これにより署名依頼や署名後のファイルの取得と共有フォルダーへの格納を自動的に行ってくれる。
さらに、書式が同じ契約書だけではなく、書式が異なる場合もAI-OCRを活用することで対応可能だ。Automation Anywhereの場合には、IQ Botと呼ばれるAI-OCRが付属している。
Adobe Sign導入後3年間の効果は、合意プロセスが平均で2カ月から3日にスピードアップして20倍の効率化がなされ、125時間の労働時間が短縮できるという。顧客満足度もこれに伴い大幅にアップさせることも可能だ。
ドキュメントプロセスのデジタル化により、従業員の生産性向上(1/3が紙業務に費やされる)、顧客体験の向上(わずらわしさからの解放とスピードアップ)、内部統制強化(手元を離れても追跡/可視化可能)、事業継続性の担保(事業所に行かなくても業務継続)を実現できる。
RPA部分はAI-OCRやトリガー機能と組み合わせて活用
再びオートメーション・エニウェア・ジャパン米田氏により、Automation Anywhereの特長が紹介された。Automation Anywhereは平均500体以上のロボットが稼働しており、大規模でも動作しているのが特徴だ。Adobe Signと組み合わせるRPAだが、Automation Anywhereはトリガーによる起動や、リモートでも動作するようなサーバ型機能をきちんと持っているために組み合わせとして相性が良い。
加えて、現場でノーコードであらゆる製品を簡単に数日で自動化でき内製化出来ること、全組織展開を行うための管理・セキュリティ機能があること、24時間稼働できるスケジュール・リモート管理機能と信頼性があること、などが特徴として挙げられた。
Automation Anywhereはフローチャートにアクションをドラッグ&ドロップしてシナリオを構築していくのが基本的な開発方法である。Excelファイルの中にあるメールアドレス一覧に対してメール送信をするロボットも4分くらいで作成することが可能だという。
最後に
Adobe SignとAutomation Anywhereの取扱代理店はSB C&Sとなり、配下のリセラーから購入できる。
また、Adobe SignとAutomation Anywhereはいずれも無料評価アカウントがある。興味を持ったら自分で無料で試してみてもよいだろう。
Automation Anywhere Community Edition
問い合わせ先
SB C&S株式会社
https://licensecounter.jp/lp/automationanywhere/