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矢野経済研究所が2020年度RPA市場調査を発表、市場規模は前年度比26.6%増の532億円と予測

2020/12/07 ニュース



 矢野経済研究所は7日、国内のRPA (ロボティック・プロセス・オートメーション) 市場を調査し、市場規模や市場動向、将来展望を明らかにした。2020年度の国内RPA市場規模は531億6,000万円(前年度比26.6%増)、そのうちRPAツール製品は61億6,000万円(前年度比28.3%増)、RPA関連サービスが470億円(前年度比26.3%増)になると予測した。

RPAはブームを終え本格的な利用拡大フェーズへ

 RPAは数年前のブームで注目を集め、大手企業にはほぼ行き渡った状態にある。すでに大手のユーザ企業でのRPA利用率は2019年度には高い水準に達していたが、2019年度もRPA市場は前年度比54.4%増と、引き続き急成長を遂げており、市場の勢いは続いていたことがわかったという。

 一方、ごく一部の業務を対象とした小規模な利用に留まっている企業が多い。多くのユーザー企業がRPAを使いこなせておらず、導入効果を十分に得られていないことが課題となっており、2020年度以降はRPAの利活用が定着し、導入企業内での利用拡大フェーズに入ると、矢野経済研究所では見ている。

 

新型コロナによるプラスとマイナスの影響

 ユーザー企業では、新型コロナウイルスの影響でIT投資が抑制される傾向が出ていることや、顧客との対面機会が激減するなど、RPAツールベンダーの事業活動が制限されたことにより、2020年度は前年度までの勢いはやや減速となる見通しで前年度比26.6%になると矢野経済研究所では見ている。 

 一方、コロナ禍でテレワークの利用増加で業務効率化に取り組む企業が増え、ペーパーレスや脱ハンコによるデジタル化も進んでいる。加えてこれまでは導入が遅れていた中堅中小企業や地方自治体などでのRPA導入も進んでいく見通しであると予測している。

 

 

矢野経済研究所、RPA市場に関する調査を実施(2020年)、2020年12月